整理と雑記

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『リズと青い鳥』と『波乱の第二楽章』の違い

2018年4月21日公開の映画『リズと青い鳥』とその原作小説にあたる『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』の違いを整理する。ネタバレ含む。

以降は「リズと青い鳥」を劇場版、「響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」を原作として扱う。

フルートパート

劇場版にて傘木希美が所属するフルートパートの会話シーンが追加された。これによって傘木希美の吹奏楽部内のポジションを示される。また原作で黄前久美子が加部友恵と行う先輩をあだ名で呼ぶというシーンが踏襲されている(前編、P111-P113)。

理科室とフグ

劇場版にて鎧塚みぞれにフグが好きという設定が追加された。理科室で1人フグに餌をやる様子が描かれる。

絵本と文庫本

リズと青い鳥には絵本と文庫本が存在するが、登場シーンが異なる。

原作

低音パートによって文庫本・絵本の存在は低音パートの会話で明かされており、北宇治高校の図書館でも借りられることが分かる(前編、P229-P234)。

劇場版

傘木希美が絵本を持っており、鎧塚みぞれとともに読むシーンが追加された。またその後、鎧塚が図書館にて文庫本を借りていたことも明かされる。

リズと青い鳥の解釈

リズと青い鳥の解釈は千差万別であるため登場人物によって様々な解釈が語られる。原作・劇場版両方に登場するのは鎧塚みぞれの解釈のみである。

原作

黄前久美子、加藤葉月、川島緑輝、高坂麗奈によるリズと青い鳥の解釈が語られる。

  • 黄前久美子:前編、P238-P244、P316-P321
  • 加藤葉月:前編、P268-P269
  • 川島緑輝:前編、P271
  • 高坂麗奈:前編、P269-P270
劇場版

傘木希美によるリズと青い鳥の解釈が追加され、黄前久美子、加藤葉月、川島緑輝、高坂麗奈による解釈がカットされている。

黄前相談所

原作では黄前久美子が先輩後輩含め様々な人物の相談にのっているが、劇場版では他の人物に置き換えられる。

剣崎梨々花

相談内容:オーボエの唯一の先輩である鎧塚みぞれと仲良くなれない。

原作

吉川優子と中川夏紀のすすめで黄前久美子に相談する(前編、P145-P152)。
その後、鎧塚と仲良くなれたことを黄前に報告する(前編、P299-P300)。

劇場版

傘木希美に相談する。劇場版では黄前久美子と剣崎梨々花に個人的な接点は見られない。

鎧塚みぞれ

相談内容:卒業後の進路、リズと青い鳥の演奏。

原作(卒業後の進路)

合宿初日に黄前久美子と高坂麗奈に自身の進路について語る(後編、P171-P176)。
合宿最終日に黄前は鎧塚の進路選びの矛盾を指摘する(後編、P216-P225)。

劇場版(卒業後の進路)

吉川優子が鎧塚みぞれの進路選びに疑問を持ち、鎧塚自身の意思を確認する。鎧塚は吉川に音大進学を喜んでくれるかと問いかける。

原作(リズと青い鳥の演奏)

合宿初日に鎧塚みぞれ、高坂麗奈、黄前久美子の3人で進路について語った後、高坂に傘木希美との相性の悪さを指摘される(後編、P177-P183)。

劇場版(リズと青い鳥の演奏)

吉川優子と進路について語った後に高坂麗奈によって傘木希美との相性の悪さを指摘される。

傘木希美

相談内容:卒業後の進路。

原作

吹奏楽部メンバーでプール遊びに行った際に黄前久美子に自身の進路と鎧塚みぞれとの距離感の悩みを語る(後編、P127-P138)。
合宿2日目に黄前に進路に関する悩みを改めて語る(後編、P201-P207)。
合宿最終日に音大進学宣言の真意と鎧塚に対する嫉妬を黄前に語る(後編、P243-P251)。
関西コンクール2日前に鎧塚に進路について語るが彼女に対する嫉妬は伝えない(後編、P300-P309)。

劇場版

吉川優子と中川夏紀に進路に関する悩みを語る。音大進学宣言の真意と鎧塚みぞれに対する嫉妬はリズと青い鳥の演奏後に本人に直接伝える。

高坂麗奈による『愛ゆえの決断』

高坂麗奈がリズと青い鳥の第三楽章『愛ゆえの決断』のオーボエソロを演奏するシーンが原作・劇場版両方に存在する。ただし演奏する経緯と場所が異なる。

原作

高坂麗奈はあがた祭りの後に大吉山の上で黄前久美子と卒業後の進路について語る。その後、黄前が将来の不安と高坂に対する独占欲を打ち明ける。高坂はそんな彼女のために『愛ゆえの決断』のオーボエソロをトランペットで演奏する。この演奏を通じて黄前はリズと青い鳥の解釈を見出す(前編、P316-P321)。

劇場版

経緯は不明だが高坂麗奈は校内で黄前久美子とともに『愛ゆえの決断』のオーボエとフルートの掛け合いをそれぞれの担当楽器で行った。リズと青い鳥の演奏の1つの解答として提示されている。

鎧塚みぞれと剣崎梨々花

劇場版では原作と比べて鎧塚みぞれと剣崎梨々花の交流シーンが多くなり、剣崎梨々花の印象も異なる。

原作

鎧塚みぞれと剣崎梨々花が仲良くなる経緯は省かれているため剣崎のコミュニケーション能力と要領の良さが印象として強い。仲良くなって以降は関西コンクール前にあれこれ剣崎が世話を焼く様子が見られたり自宅に遊びに行きたいという剣崎の誘いに応えるなど良好な関係が伺える。一方で鎧塚の「後輩は大事にしろって、希美が言ってたから」という発言から希美の指摘があったから仲良くしている可能性が示唆されている(後編、P39-P40、P75-P76)。

劇場版

剣崎梨々花が鎧塚みぞれと仲良くなるために奮闘する様子が描かれる。剣崎はオーディションに落ちてしまった後に鎧塚の前で号泣するなど原作に比べてピュアな一面が強調されている。原作の「後輩は大事にしろって、希美が言ってたから」という鎧塚の台詞が省かれており、剣崎と仲良くしたのは鎧塚の意思という側面が強くなっている。



公式サイト

liz-bluebird.com

Kindle

本作はKindleの取り扱いがなく文庫本のみが販売されている。